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感じた事や楽しかった事を書いていきます。

オデッセイ

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こんばんは。
oimoboyです。映画「オデッセイ」を見てきました。川崎に約3年ほど住んでいるoimoboy、川崎ラゾーナに入っている109シネマズのIMAXって言うの、初めて使いました。すっげ〜〜〜〜のな。画面でっかいし3Dで鼻の高さまでくっきりわかるのな。映画を見る習慣が全く無かったから知らなかった。年に3桁以上もの映画を見る映画好きの友人らが映画についてツイートしているのを見るたびについ行きたくなってしまって、で、見に行く事が増えた。めっちゃ面白いね。映画。

いままで「あんな量のポップコーン一人で食うのかよw」とか思ってたけど、案外というか、普通に一人で食えるし、コーラも別に多くない。普段はコカ・コーラ派だけど、映画に限って言えば、2時間経って氷で薄まってもなお甘ったるいペプシ・コーラの方が相性が良いということもわかった。あと、最近になって初めて食べたキャラメルポップコーンがめっちゃ美味しい。(とは言っても、ハーフ&ハーフで頼む。キャラメルポップコーンオンリーはちょっと僕にはキツい。)

 

ちなみに、超訳・僕の友人ゆぱの「オデッセイ」のあらすじはこちらです。

まぁ……。(めっちゃウケてる)

以下、感想文につきネタバレ含みます。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  宇宙映画が「ゼロ・グラビティ」のおかげで凄く凄く苦手な僕。今回もやっぱり同じ恐怖に苛まれました。”無重力状態と宇宙の映像表現”。なんていうか、宇宙船ヘルメス号の周りを伝うシーンだとか、ラストシーンで主人公の植物学者ワトニーがアイアンマンになるシーンだとか。美しい宇宙の映像の中には無限の空間がある。宇宙空間の中では何かの拍子に操作を間違えたり、あらぬ方向に力を加えたりしたら、あの無限へ慣性の法則に則って飛び去っていく事になる。死んでもなおその死体は完全な無の中を進み続けるわけだ。永遠に。なんだか、そういうことをわざわざ意識させるような映像。最後のワトニーが船長ルイスに助けられるシーンで、広大な宇宙の中にぽつんと放り出されたような二人の映像がある。オレンジ色のロープをひっかけた船長とワトニーが抱き合っているシーン。宇宙とか火星とかオレンジのロープとか、もうすごく綺麗なんだけど、美しさって時に恐怖を催すものなんだなと思った。もしかしたら僕は"広所恐怖症"なのかもしれないと感じさせられるような映像だった。IMAXだったからかな。関係ないけど鳥取砂丘に行ってみたい。ちょっと火星っぽくない?

 宇宙映画の恐怖はもう一つある。絶体絶命の度合いがもう桁外れに違う。なんていうか"物理的に死ぬ"のだ。誰かの悪意によって殺されるわけではない。社会的に死ぬとかそういうことでもない。そこにあるのは抗えない自然だけだ。こと、宇宙や火星には空気がない。生命を自分一人で維持する事は不可能だ。他人が作った機械に自分の命を預けている状態だ。もうこれは無理だ。「問題が発生したのでソフトウェアを終了しました。」この文面をパソコンを使っている時に見たことがあると思う。たとえばこれが、宇宙服で起こったら?制御装置のOSや、最悪カーネルが生きていたとしても、気圧制御装置のドライバやセンサ周りのソフトウェアがメモリリークを起こしていたり、例外処理を起こしたりしたら?例外処理の動作が定義されていなかったら?うわぁ、もう恐ろしい。気圧制御用センサが異常な値を吐き出したら、気圧を上げすぎて目ん玉が飛び出して死ぬかもしれないし、気圧を下げすぎて目ん玉が飛び出して死ぬかもしれない。恐ろしい。なにが怖いって、まるっと一日そんな「バグの潜んでいるかもしれない生命維持装置の中」で生活することがまず恐ろしい。(ぼくは同じ理由で飛行機にのるのが大嫌いだ。でも、ワクワクするから大好きだ。)誰かのミスで人が死ぬような航空系に務める人や宇宙系に務める人、また、乗り物を作っている人、それに携わっている乗務員や技術者、管制官とか整備士って本当に凄いと思う。尊敬する。また、それらに乗っている僕達もなかなか人を信頼することが得意だと思う。デジタル制御された機械はソフトウェアが無いと動かない。ソフトウェアがイったらぜーんぶパァだ。とはいっても、きっと安全面において必要な要件はハチャメチャに定義されていて、万全に万全を期した作りになっているのだと思う。僕なんかより頭がいい人が作っているものだ。まぁ、自分で作るよりは安心できるだろう。僕は作れないけどさ。っていうか、関係ないけど爆発した後、ビニールひっかけただけの場所でよく宇宙服もなく生活する気になったよな……。尖った石が飛んできて穴が空いたら死ぬのに。

 なんの話しだっけ。そう、自分では生命維持装置がないと生きられないという絶望的な環境の中、さらには孤独。無人島生活のように「とったど〜〜〜!!」という掛け声だけでは海産物が手に入らいない世界だ。僕はもう最初から最後まで気が気でなかった。簡単に死ぬような世界にその身一つと生命維持装置で生き残らなければならないのだ。火星のシーンでも宇宙のシーンでもとにかく何もなくてひとりぼっち。「わたしは火星に取り残されました〜〜」という感じ。もうだめだよ〜〜〜!

 って、僕は思っていたんですけど、キンタマが凍り付きそうになったり、ホットスタッフが流れたりで「お前良くその環境でそんな冗談言えるな。」って感じの映画でした。あれは並の人間にできる所業じゃない。NASAの宇宙飛行士っていうのはそういうところまで訓練されるのだろうか。それともただ単に映画だからだろうか。物語の中に出くる人間はみんな強い。最初のシーンだってそうだ。自分の腹に刺さったアンテナを自分で抜くシーン。僕なら首を吊っていたね。余談だけど、あのシーンに限っては本当にわざわざIMAXで見るものじゃないと思った。(IMAXでホラー映画とか見たら音響含めて本当にヤバそう。)

 絶望的な環境の中で冷静さを欠くこと無く、正しい優先順位で課題を素早く見つけ、解決していく。普通ならパニックに陥るような環境で、だ。最後には火星からの脱出をするというのに他人の遠隔操作。他人に命まで握られてしまう。それしか方法がないのがわかっていながら本当に嫌な選択だ。更に言うとその次のシーンで本当にアイアンマンになった彼もすごかったし、受け止めた船長も超超超すごい。最後の方にはそんな選択するなんて正気の沙汰とは思えないような行動が連発するんだけど、あのハラハラ感はたまらなかった。いやぁ、面白かった。「後のことは後で考えればいいのよ。今はワトニーが先よ。」っていう船長の台詞、カッコ良かった……。(うろ覚えだけど。)

 ワトニーを助けるためにヘルメス号の軌道を計算した男、その計画をjpegファイルで送りつけた男、無茶な計画に力を貸したたくさんの頭のいい人達。それから、受け取ったjpegファイルを解析した聡明な女性、爆弾を作った賢い彼、アスキーコード表を持ってきていた変なヤツ。人命を尊重した勇敢な決断をしたリーダー。(もう、あの時点で完全に自分たちが生きて変えることよりもワトニーを助けることが本当に目的になっていたんだと思う。)そして、火星を植民地にした男、人類史上初めて海賊になった男、そして、アイアンマンになった男。勇敢で賢くて決断力も行動力もあるユーモラスな男。

 ぼくは彼らに心からの拍手を送りたい。(あれ、一人足りない?)