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感じた事や楽しかった事を書いていきます。

バカ親父とバカ息子

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る〜るるるるるる……

こんにちは。
バカ息子です。

 

 昨日、父親と会ってきました。5年ぶりの再会。北ははるばる北海道の旭川から関東まで、親戚の結婚式で上京した父親と酒を酌み交わした。いや、俺、苫小牧に住んでるもんだとばっかり思ってたで。バカな息子ですまんなバカ親父。でも、あんまり覚えてない。もしかしたら苫小牧と旭川が逆かもしれない。いいかバカ親父、有る事無い事書いてやるからな〜。(父親はこのブログの存在もツイッターの存在も知っている。)

 5年の歳月とは残酷なもので、記憶の中にあった若かりし父親は跡形もなく消えていた。あれは疲れた田舎のおっさんだった。まぁ、真実だ。でも、間違いなく俺の父親だった。お互いの第一声はこうだった。「ハゲたなオメェ!」「オメェこそ老けたな!」失礼極まりない親子である。人生の半分も一緒に暮らしていないと言うのに、よく似たものだ。歩幅も一緒、手の形も手の震えも一緒。考え方や思考回路も根っこが一緒。(でも俺はあそこまでネガティブじゃない。これは脳天気な母親に似た。ありがたい限りだ。)

 声がでかいくせにシャイ。「俺はそういう男だから」つって何もしねぇ怠惰な男。相変わらずだ。良くも悪くも田舎のオヤジだ。ギャグは俺が小学生の時から何一つ進歩していなかったし、15年前の型遅れのスーツを着ていた。小銭はポケットの中だ。小説か映画かドラマかでしか見たことがなかった「上京した息子を心配する中年男」が目の前に居た。記憶が美化されているのか、時間の流れがそうさせたのか、はたまた俺の価値観が東京ナイズドされたのか。きっとこれを読んでる父親は自分の姿を形容されて相当ショックを受けているだろうと思う。でも、面白いから書かせてくれ。というか、この記事を読みながら「あ〜、やっぱりネタにされたかい。」くらいは思っていると思う。いやしかし、セブンを乗り回してた父親はどこへ消えたんだ。

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 結婚式場での再会。久々に父方の祖母を見た。おばあちゃんは昔と変わらず、黒柳徹子に似ていた。結婚式が終わるなり、父方の親戚たちに顔を通した。少し固めの服を着て行って正解だ。その後に父親と酒を飲んだ。ゲイバーで。

 ゲイバーで。

 息子が世話になってますって。バカな息子だけど面倒見てやってくださいって。誰がバカな息子だ。「あっ」と言わせてやろうとご自慢のギャグを披露するもだだスベリ。「ぜってぇウケると思ってたんだけどなぁ。」つって半べそ。そのホスピタリティもスベリ芸も全部父親譲りかよってそん時思った。あの場では言わなかったけど。だって面白かったから。ついでに、おさなごころに感じてはいたけれど、あれは「ギャグが面白いのではなくて、その場のノリが面白いだけ」だ。ああいうのは場をきちんと固めてからやったほうが良い。だけれど、完全アウェイなゲイバーで場を固めるのはまず無理だ。ダメ出しばっかりしてるな。ごめんな。面と向かって言えたらよかったんだけど。あと、ゲイバーで(もそうだし飲み屋のネーチャンにも)ウケたかったら最新の時事ネタを取り入れたほうが良い。面白おかしく話術で攻めろ。いつまでも「北の国から~遥かなる大地より~」のモノマネでウケると思ったらこれは流石に大間違いだ。今時「しぇ〜」で笑うやつ居るかって話だ。けれど、俺も吉幾三の「おら東京さ行くだ」を披露してウケを狙おうとする。血は抗えない。おら東京さいくだはもうやめよう。

 父親は良い鏡だ。反面教師としてこんなに良い奴はそう居ない。自分の失敗を目の前で全部してくれる。自分の人生をより良くするために父親の動向には今後も注目したい。

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 ホテルに帰って、くだらない話をして、お得意のマジックを披露された。ギャグは小学生の時から一歩も進歩していなかったけれど、こっちは本当にビックリするくらい進歩していた。この進歩をギャグの方でも見せて欲しい。今時一発芸は流行らない。

 本当に父親のマジックは素晴らしかった。指をぱちんと鳴らすとトランプが動くんだ。テレビでやってるようなやつを目の前でやられた。あれは金取れるぞ。ただ「ウケた!」と思ってしつこくやってると「北の国から~遥かなる大地より~」のモノマネと一緒になる。精進あるのみ。いや〜、それにしてもすごかった。ゲイバーでそっち披露したほうがまだウケたんじゃない?

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 翌朝(というかさっき)成田空港へ向かうべく、東京駅で軽く茶をしばいた。「なんか東京らしいことしたのかい?」つったらオメェ、あのオヤジ「んなもんする気あるわけねぇべや。」つったもんだから、「おい、スタバ行くぞ。」つってスタバへ行った。俺が思いつく「東京っぽいこと」がスターバックスコーヒーだなんて、なんだか情けねぇよ。

 「俺には似合わねぇから」って絶対にスターバックスコーヒーなんかに入らないような父親だ。ここでスターバックスコーヒーを飲ませなかったらきっと一生スタバを知らずに死ぬ。(それが別に人生に大きく関わるってわけじゃないけれど。)

 俺はなんたらカフェフラペチーノを頼んで、父親はアイスコーヒーを頼んだ。「俺はあの長ぇのよくわからんからよ。」って。大丈夫だ。俺も分からないから。「これください。」って指差しただけだ。ただ、一口でもあの甘いのを飲ませたかったから頼んだだけだ。案の定父親は「こんな甘いのは飲めねぇな。」って。俺も飲み干すこと無く捨てちまったよ。

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 小銭をポケットに直接入れて良いのは若いワイルドな兄ちゃんだけだ。いい年なんだから小銭入れを持て。四十も後半になってそれはダサいぞ。

またな。