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感じた事や楽しかった事を書いていきます。

雪景色。

北海道出身。東京に出た理由は人並みに恋愛してみたいから。
あまり、セクシャリティを理由にはしたくないけれど、そういう事だ。
田舎のゲイは結婚する。

関東に越してきて4年目。恋しくなってきたものが有る。
雪景色だ。

1年目の冬は「おっ!マジで雪降らないんだ!」って、
逆に興奮したりもしたけど、雪のない一年ってなんだか味気ない。
そりゃあ、雪かきするのなんかハチャメチャ面倒だけど。

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子供の頃は雪が降る度にはしゃいで、
そりを持ちだしてソリソリソリ~っとよく滑って遊んでた。

でも、いつからだっただろう。
多分、中学生に上がる頃には雪で遊んだりしなくなってた。

初雪にすら感動しなくなってた。

もちろんそれは高専を卒業するまで続いていて、
今の今まで、雪なんかじゃ感動しないよ。
って、思ってたんだけど。

凄く雪が恋しい。

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学生の頃の記憶なんて大して残っちゃいないし、
学生の頃は感性が死んでいたので楽しいイベントなんかあんまりなかったけど、
今思い返すと日常の中の景色の約半分は雪景色だったように思う。

最初の約束と違って最終バスがなくなるまで働かされたアルバイト。
帰り道、氷点下10度の中を歩きながら、肉まんをかじって泣いた時。

俺の1時間はこの肉まんと煙草に消えるのかって、
なんだか人生がとてつもなく無駄な事の様に思えた時にあったのは、
あの猛烈な耳の痛みと、寒さによる頭痛と、電灯に照らされた白い雪。
あと鼻水。それから、北海道の最低賃金安すぎ。
なんでバイト終わってから氷点下10度の中を1時間かけて歩かなきゃならないんだよ。
虐待かよ。一生根に持つタイプだから今更怒りが湧いてきた。(遅い)

それから、中学生の頃の部活帰りに
「ケントは人を本当に好きになったこと無いから恋の辛さなんかわからないんだよ!」
って、同級生のデブ女に言われた時にも雪が降っていた。
なんとも失礼な女だよね。
恋愛関係で辛いのは8割方好きになられた方だ。
勝手に被害者面されるから、たまらんよね。
俺が人を本当に好きになったことが無いと思い込むほどの視野狭窄だから
あんたの恋愛も実らないんじゃないの。(遅い怒り)

と、まぁ、日常の中に雪はごく自然に存在していた。

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11月後半から3月頭にかけて雪が地面を覆い、
4月になる頃にやっとコンクリートが頭を出す。

冬の間は土の匂いなんかすこしもしないのだけれど、
雪解けとともに来る暖かな風と、
約半年ぶりに嗅ぐ土の匂いが春の訪れを教えてくれる。
のだけれど。

関東に来て4年目。
土の匂いを嗅がないと春がわからないし、
雪が積もらないと冬がわからない。
関東は春の段階で夏の気温だし、
冬にも関わらず秋の辛い寒さが続く。
(そうやって季節の変わり目に毎年体調を崩す。衣替えの時期が本当にわからない。)

北海道ではあじさいとコスモスが一緒に咲くから、
あじさいが梅雨時期の花っていう感覚もぶっちゃけないし。

まだまだ関東に慣れていないんだなぁって思う。