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感じた事や楽しかった事を書いていきます。

胎内回帰

 椎名林檎について記事を書いたら、椎名林檎が恋しくなった。椎名林檎が恋しい状態で人の卒業アルバムを見る機会があった。あーだったこーだった、コレがカワイイ、美人が多いだ、ヤバブスだのと人の卒業アルバムにやいのやいの言った。そうこうするうちに、自分の学生時代をすこしずつ思い出してきた。

 学生時代というか、モラトリアムの時の自分というものは一種の胎児の様なものだと思う。その証拠に学生時代の記憶って妙に曖昧だったりしない?子宮が学校だとすると、子宮口から膣にかけてが就職活動で、その先は何が広がっているかわからない。会社かもしれないし、勉学かもしれないし、芸術かもしれないし、修行かもしれない。大陰唇の外はただひたすらに未知だ。私はこの世に産み落とされてやっと言葉を理解するようになってきたつもり、なのだけれど、いまいちこの大陰唇の外が何かを理解していない。大陰唇の外はもしかしたら全てが不安なのかもしれない。

 その次の日、椎名林檎を聞きたくて聞きたくて仕方がなくなった。とは言っても学生時代から音楽を入れていたHDDは落としてしまって音楽データが全てぶっ飛んでいるので、椎名林檎を聞くことは出来ない。悲しみに暮れる中で昔使っていたiPhone4の存在を思い出した。充電をしたら椎名林檎が聞けた。椎名林檎Youtube以外にも居た。

 そして今、会社にて椎名林檎を聞いている。学生時代は一日中イヤフォンを耳にぶっさして椎名林檎宇多田ヒカルSyrup16gRadioheadPerfumeDaft PunkLady GAGAとか聞いてたなって。授業なんかほっぽって自分の世界にどっぷり。きままに睡眠なんか取って、きままにノートなんか取って。高校2年から大学2年までの4年間はそんな生活だった。(高校1年時はすっごく勉強をがんばっていたので、一番偏差値の高い学科で5位とか6位くらいだった。)

 椎名林檎を聞いても、「学生時代の思い出らしい思い出」は出てこない。ただ、学生の頃の空気感を思い出す事ができる。当時の自分をなぞって、変わらない自分に安心したり、変わった自分に安心したりする。なんか、社会生活に疲れた自分を体感で理解した。学生時代への胎内回帰、と言うよりは単純に、過去を思い出してみるのも時には悪くないのかもしれない。前ばっかり向いてるのも疲れるもんね。